「オトナかけっこ教室」の1年間 ⑥

2019.06.04 (火)


・鍛錬期・冬季練習④2月

 

鍛錬期の2月は、トレーニング量を減らして徐々にスピードを上げていきます。
本格的なアスリートは、200~300m走の距離を高いスピードで走るトレーニングを行います。
「オトナかけっこ教室」では、50~150m程の距離を中心に走ります。

 
 

11月から1月にかけての鍛錬期は、一般持久力や基礎体力をつけることが狙いですが、2月の鍛錬期は、スピード持久力を高めるのが目的です。
いかに高いスピードで、100mや200mの距離を走り切るかが重要になってきます。
それと2月は、まだ気温が低く高いスピードを出すと、ケガをする可能性もあるので充分に気をつけることです。

 
 

ここで11月から2月の鍛錬期をまとめたものを表にしました。

 

 

11月から1月にかけては、トレーニング量が多く、体力作り・基礎作りに重点を置き、1月後半から2月にかけては、専門的なトレーニングに移行して技術やスピードアップをはかっていきます。

 
 

シーズンオフ(鍛錬期)は、非常につらいものがあります。
それは、「長い距離を何本も走る」「坂道走を走る」「筋力トレーニングを行う」など、シーズン中(試合期)に比べて、トレーニング時間も長く、時にはサボりたくなることもあります。

 
 

しかし、この時期のトレーニングが翌年の試合シーズンでの「結果を決定する」といってもいいくらいです。
ここで頑張れる人は、記録の更新と基礎的・専門的な体力やメンタルも強化され、自分の成長につながるでしょう。

 
 

・300m走はメンタル強化。仕事に活きる

 

いきなりですがあなたは今、仕事に対する不安などありますか?
仕事の不安・悩み・物怖じいない強さを手に入れるのに、1つの手段として300mダッシュを走ってみるのです。

 
 

陸上部出身の方なら経験がおありだと思いますが、300mダッシュはそうとう体を追い込めるトレーニングです。

 
 

どれくらいきついかと言うと、最初から全力近いスピード(50m走を全力で走るイメージに近い)で走り、ラスト100mは手足全体が動かなくなります。
その状態で残りの100mを走りきるのです。腕立て伏せで後1回がギリギリできるかできないかの瀬戸際の感覚で走るのです。

 
 

走り終わった後は、体全体が「痛だるい」状態、とくにお尻が「痛だるい」及び「ケツ割れ」(陸上部の間で言われる用語)が起きます。
このケツ割れと同時に呼吸も苦しい状態が続き、時間が経つにつれて呼吸は落ち着いてきますが、まだ体全体が疲労している、体に乳酸がたまっている状態なのです。

 
 

「乳酸がたまる」を簡単に説明すると、乳酸とは疲労物質のことであり、短距離ダッシュをする際に必要なエネルギーでATPというものがあります。(ここではあえてATPの説明を省きます)
このATPエネルギーを使って走るのですが、その際に同様に作り出される物質が乳酸なのです。

 
 

ダッシュをする際に、このATPエネルギーを使用しながら走るのですが、距離が長くなるほど、ATPエネルギーを使用して走り続けることになり、同様に乳酸も多く創り出されるのです。

さらにこの状態で「後1本300mを走る」と、想像するだけきついと思わないですか?
 
 
 

精神的・肉体的にも疲労困憊でできれば、走りたくない状況です。
陸上部でトレーニングを積んでいるアスリートさえも、やりたくないトレーニングメニューの1つです。

 
 

できればこの状況から逃げたい・中断したいと頭の中がネガティブな気持ちですが、この状況から逃げずに走りきることができれば、きっとこの後の人生も乗り越えることができるのです。
走り終わった後は、疲労で体が動けませんが、走り終わった達成感と爽快感でいっぱいで、クーリングダウン後には、充実感を得ることができます。

 
 

きついトレーニングを一度自分に課すと、肉体的にはもちろんのこと精神的にも強くなります。
物事から逃げずに真っ向勝負で困難に立ち向かうことができ、度胸もつきます。
一度、試してみる価値のあるトレーニングです。

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