腕振りを習得する
前回のコラムで腕振りについて、以下のようにお伝えしました。
①腕振りは、「自分から腕を振る」のではなく、「自然に腕が振れる」ことが大事。
②肩甲骨からしっかり動くと、肩甲骨と骨盤の連動がスムーズになり、その結果、「自然に腕が振れる」。
③トップスプリンターは、肩甲骨と骨盤の連動がスムーズ。
④オリンピックや世界陸上の100m決勝に進出しているアフリカ系の選手は、その動きに長けている
腕振りを習得すると、見違えるほどスピード(加速力)が生まれます。
そこで、腕の振り方で大切なのは、「腕振りの動作」よりも、脚の接地(着地)とのタイミングが重要です。
1歩1歩ごとに、「腕振り」と「脚の接地」がかみ合うことが大事で、極端に大きく腕振りをし過ぎで、脚とのタイミングがズレることを避けたいものです。
特に腕振りが重要なのは、スタートから加速区間(0~40m)です。
その後は、慣性によって自然に進んでいくので、腕振りはタイミングをとるつもりで振ると良いです。
腕振りは、選手によって意識の仕方がまったく違ってきます。
ある選手は、「前に腕を振る」意識を持つ。
ある選手は、「後ろに腕を振る」意識を持つ。
ある選手は、「前後に腕を振る」意識を持つ。
選手によって、腕振りの意識は違ってきます。
あなたにとって、一番しっくりくるものを選ぶことが大事です。一度、いろいろと試す時期があっても良いでしょう。
私が思う「腕振りの意識」が近い選手がいます。その方は、100m元日本記録保持者の伊東浩司さんです。
伊東浩司さんが現役時代、「腕振りが走りの軸をじゃましないようにと、肩甲骨周辺の柔軟性そしてリラックスが大切」とおっしゃっていました。
よく陸上競技の雑誌やメディアでも、肩甲骨周辺の柔軟性と筋力強化(ウエイトトレーニングなど)をすごく、時間を割いてトレーニングされていた記憶があります。
それに加えて、骨盤周辺の柔軟性と筋力強化も同じように強化されていました。
「肩甲骨と骨盤の連動が大切」
私の記憶が定かではありませんが、このようなこともおっしゃっていたと思います。
まとめると、最初は自分に合った腕振りを見つけ、スタートから加速区間までは、腕振りに重点を置き、それ以降は慣性で自然にタイミングを合わせて腕振りをしていくことがポイントになってきます。
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